介護タクシーは、一般のタクシーとは異なり、福祉輸送に限定されていますので、運転手や使用車両に特別な決まりがあります。
介護タクシーの運転手
介護タクシーの事業者は、>事業計画を遂行するに足る員数の有資格の運転者を常時選任しなければなりません。また、労働関係法令の規定に抵触しないよう適切な乗務割、労働時間、給与体制を整えることが求められます。
では、介護タクシーを運転するにはどういう資格が必要かといいますと、料金を頂いて人を運ぶ車を運転しますので、第二種免許が必要となります。
第二種免許は、車種により取得すべき免許が異なりますが、介護タクシーの運転の場合には、普通二種免許があれば運転できます。
大型二種免許をお持ちの方は、普通二種免許で運転できる車も運転できますので、新たに取得する必要はありません。
○普通二種免許を取得する方法について
普通二種免許を取得する方法は、次の2通りあります。
① 自分ひとりで練習して、直接、免許試験場で受験する方法
② 自動車学校に通って、技能卒業検定に合格する方法
運転に自信のある方は①の方法をチャレンジする価値はありますが、実際には非常に難しいと思われますので、きちんと教習所に通って合格を目指すことが望ましいです。
これから、事業として、お客様をご自身が運転する車に乗せるのですから、再度、運転技術を学び直した方がよいでしょう。
○普通二種免許の受験資格について
普通二種免許受験資格は、次のとおりです。
① 21歳以上で、第一種免許を持ち、免許取得から3年以上が経過していること
② 視力片目0.5以上、両目で0.8以上あること
③ 深視力3回の測定の平均値が2cmを超えていないこと
※深視力とは、両眼視機能のことで、二つの眼で見る力「遠近(距離)感」や「立体感」を言います。
機械の中に平行に並んだ3本の棒(高さ5cm位m太さ5cm位)があり、真ん中の棒だけが移動します。それを正面から見て、3本が平行に並んだときにボタンを押して、その誤差を測定します。
④ 赤・青・黄色の3色が識別できること
⑤ 補聴器を使用しないで10mの距離で90デシベルの警音器の音が聴こえること
⑥ 自動車の運転に支障を及ぼす身体障害がないこと
○運転手の欠格事由について(旅客自動車運送事業運輸規則第36条)
介護タクシーの運転者は、次の要件に該当していることが必要です。
① 日々雇い入れられる者でないこと
② 二月以内の期間を定めて使用される者でないこと
③ 試みの使用期間中の者でないこと
④ 十四日未満の期間毎に賃金の支払いを受ける者でないこと
○セダン型の一般車両を使用する場合
介護タクシーとして、セダン型の一般車両を使用する場合には、普通二種免許に加えて
次の要件のいずれかを満たしている方が乗車していなければなりません。
① ケア輸送サービス従事者研修を修了している方
② 介護福祉士の資格を有している方
③ 訪問介護員の資格を有している方
④ 居宅介護従業者の資格を有している方
介護タクシーの使用車両について
介護タクシーとして使用できる車両は、次の車両となります。また、介護タクシー事業を始めるにあたって必要な車両台数は、1営業所につき1台以上です。
種 類 | 形 状 等 | |
福 祉 自 動 車 | 寝 台 車 | 車内に寝台(ストレッチャー)を固定する設備を有する自動車 |
車いす | 車いす利用者が車いすのまま車内に乗り込むことが可能なスロ ープ又はリフト付きの自動車 | |
兼用者 | ストレッチャー及び車いすの双方に対応した自動車 | |
回転シート車 | 回転シート(リフトアップシートを含む)を備える自動車 | |
セ ダ ン 等 | 自動車検査証の用途の欄が「貨物」の自動車以外の自動車 |
福祉自動車を使用する場合には、普通二種免許があれば乗務できます。
しかし、程度の差はありますが、介護の必要な方々をお客様としてお迎えしますので、次の資格の取得や研修を修了しておくことが望ましいとされています。
① ケア輸送サービス従事者研修
② 介護福祉士
③ 訪問介護員の資格
④ 居宅介護従業者の資格
⑤ 福祉タクシー乗務員研修
また、許可申請時点では、車両を購入しておく必要はなく、許可が下りてから購入すれば十分です。
その場合、申請時には、購入予定車両の見積書やパンフレットの写しを提出します。
※事業用ナンバーの登録は中古車でも可能ですが、そのままでは事業用登録できない場合があります。
当事務所では、購入されたお車の事業用登録のための保安基準等の確認は行っておりませんので、お車の購入の際は、必ず、販売店又は整備工場に事業用登録が可能かどうかをご確認の上、お買い求めください。
>> 介護タクシー事業で使用する車両の選び方についてはこちらをご覧ください。
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